LinkedIn(リンクトイン)へ投稿した文章のママで、「ドラフト原稿」ですが、公開投稿します。産業用インクジェットプリンタのUVインクを新規設計した経験から品質管理、品質保証の視点で「耐用年数」をどのように算出して販売後の管理や保守をすることが適切なのか。維持管理費用の重要性について参考にしていただければ幸いです。

産業用インクジェットプリンタのUVインクをゼロベースで新規設計した担当者の視点で見た場合ですが「耐用年数の算出」は、ものすごく難しいです

まず「実暴露」させて劣化させて確認してから出荷することができません

そこで「加速試験」して実暴露を想定した負荷をかけて、品質なり耐久性なり信頼性を短時間でシミュレーションするのですが、ISOやJISで定められているのは「自動車の塗料や塗装」くらいしか参考データが存在しないのです

つまり、世界的に影響を及ぼす巨大産業には、加速試験をして実暴露した場合との差異を確認して加速試験の精度をブラッシュアップしたものがあるので、過去の事例に基づいて提供された試験すれば、基本的には問題ないでしょう

しかし、数ピコリットルの微小な液体を電気でデジタル的にドロップさせるような精度が求められるインクの場合ですと、粘度が上昇しやすく、水性顔料、水性染料インクのような5年以上25℃前後の常温環境で保管されたインクの品質はUVインクでは不可能

加速試験の基本は、紫外線や空気(酸素、ガスバリア、酸化)による劣化なので、キセノンランプや高温環境という特殊な環境を用いて「実暴露での耐用年数を独自に設計する必要がある」のです

その上で、試験のサンプル数、つまり膨大なN数を測定して標準偏差の分布を調べて、更に3シグマを加味して「仮の耐用年数を定める」わけです

ということは、設計者としては「かなり厳しい耐用年数」を出すことになり、ここ10年で発生した不正された虚偽の測定結果で出荷して社会問題になった三菱自動車などの事件とは違って「実暴露では発生しないであろう耐用年数」を算出するハズですから「意図的な不正はおきにくい」のです

この話だけで数日の研修資料を作れるくらいですから、簡単に書くと上記になります

話を戻しますが、下水道を新設したのが戦後ですから、実暴露的には60年以上のデータが出ている状態

その上で、耐用年数として限界だとデータも出揃っているのに「大惨事の事故」が起きないので、保守費用の予算を割り当てず、いつ崩壊してもおかしくない状態の下水道が日本中に50パーセント近くある状態で放置されてているのが現状なのです

ヒヤリハット、ハインリッヒの法則を当てはめると、想定外の外的要因(外乱)として、地震や台風などの大雨による地殻変動がトリガーになって、今回埼玉県で起きた下水道問題が全国で一斉に発生しても、なんらおかしくないということです

箱物の新設とか万博も結構ですが、優先順位は社会的なインフラの保守管理費用に割り当てないと「現状維持は不可能」といえる状態だと声を大にして言いたくなるわけです

生成AIなど新規技術によるビジネス的な利益ばかりがもてはやされるのですが、前提として現在の社会的インフラが維持出来なければ、新規事業にも多大な影響を及ぼすということを理解してくださいm(_ _)m

2025年9月2日追加

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大塚 忠和

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